タンニンとはポルフェノール

タンニンとはポルフェノール

動物の皮はそのまま干しても堅く板状で虫が食べてしまう
汚い話だが 昔はウンコの中にしばらくいれると 革の柔らかさが
出来たらしい。 樹の皮にはポルフェノールが含まれていて,外から入る害虫を寄せ付けない。日本茶,ウーロン茶,紅茶,コーヒーにポルフェノールが含まれている。        ポリフェノールの含有量の多い植物の粉を水槽の中に皮をつける作業を鞣(ナメス)といいます
10年昔,ネパールの鞣の現場をおとずれた事がありますが,                                              頭が痛くなるような悪匂を思い出します
たんぱく質が分解され堅さがほぐされ革になる訳です

粉はアフリカやイタリーから届きます
私達のやっているのは そのタンニンの粉を布に染み込ませたらどんなものか?
日本古来の柿渋染めとは違った事が出来ないか?

そんな事から始まりました
幸い回りは織物の専門家集団です
物事は何事にも壁が立ちふさがります(それを乗り越えなければ目指す事は出来ない)
粉をお湯に溶かしてタンクに入れ,布生地に染み込ませる
均一に付着するまで機械で回します。
乾燥させて固まった状態で少し置いて今度は時間を掛けて洗い余分な粉を落とします それでも繊維の中に粉は染み込んで発色しています

昨年ある会社から,過去に別のスタッフが保管していたタンニン染めの布生地を
提示して発注頂きました。 染工場の過去の控えと比較しても違いました
保管している場所や環境で3年~5年で色の変化があるのです

実際に加工が終わったら 大分色目が違いました
色々説明をし 加工後30日程の色変化をしてもらったら 納得していただきました  どうもこの変化がお気に入りになったらしい

タンニンの粉は生き続ける訳です
そこが化学染料との違いです

でも弱点は 鮮やかな希望色は望めません